看護

訪問看護の利用者に多い疾患・看護内容は?

訪問看護の仕事が未経験という方だと、利用者に多い疾患やその看護内容なども、知っておきたい部分ではないでしょうか。そこで、訪問看護の利用者さんに多い疾患はなんなのか、データとともにご紹介。よく実施される看護内容とあわせて解説いたします

訪問看護の利用者に多い疾患

2017年の政府統計「訪問看護療養費実態調査」によれば、訪問看護利用者の主傷病とそれぞれの患者数は以下のような結果になりました。

訪問看護の利用者に多い疾患

2017年の政府統計「訪問看護療養費実態調査」によれば、訪問看護利用者の主傷病とそれぞれの患者数は以下のような結果になりました。

精神・行動系

認知症や統合失調症のほか、うつ病など精神・行動障害を指します。調査人口の約3割という結果となりました。とくに認知症の患者さんは増えており、地域での支援に訪問看護が大きな役割を持ちます。訪問看護ステーションのなかには精神科疾患を専門とする施設もあるほど、需要は高まっています。

神経系

精神・行動系に次いで2番目に多かったのが神経系の疾患、パーキンソン病やアルツハイマー病を含める人口であり、こちらも調査人口の約3割ほどです。パーキンソン病の患者は50~65歳が多いといわれ、高齢でなくても訪問看護を利用される方は、これに当てはまることも少なくありません。

悪性新生物・新生物

悪性新生物や新生物の患者さんは、あわせて約2割です。自宅で過ごされることを望まれる患者さんに対し、ガンのステージによって緩和ケアをおこないます。また、亡くなられた場合の看取り、場合によっては死後処置も訪問看護でおこなうことがあります。

循環器系

循環器疾患には高血圧性疾患や脳血管疾患、心疾患を含みます。全体のうち8%です。高齢になるほど高血圧になりやすく、60歳以上の半数が治療をしているといわれます。そのため、高血圧がリスクとなって発症する脳血管や心血管に関わる患者さんは多いです。発症後のリハビリテーションも訪問看護の役割のひとつです。

訪問看護でよく実施される看護内容

訪問看護でよく実施される看護内容は、以下のとおりです。

服薬管理・点眼等の処置

もっともよく実施されている処置です。患者さんの傷病に合わせて服薬の管理と、医師に情報の提供をおこないます。また、医師の指導に基づいた医療的な処置をおこないます。

褥瘡の予防・処置

訪問看護は高齢者の利用者が多く、寝たきりの姿勢が多い方だと、褥瘡の予防や処置が必要になります。定期的に皮膚の状態を観察し、圧迫を除去したり家族・ヘルパーに指導をおこなったりします。

浣腸・摘便

訪問看護の利用者さんには、排便に問題を抱えている方も少なくありません。このような方には下剤や浣腸を用いたり、摘便をおこなうこともあります。

まとめ

訪問看護の利用者さんには、精神・行動系の疾患や神経系などをはじめとする疾患に罹患している方が多いと解説しました。訪問看護では、同じ疾患であっても利用者さんの生活環境などが異なるため、それにあわせて臨機応変な対応が求められます。このような部分が一般的な病棟とは異なる部分であり、やりがいとなるかもしれません。