
訪問看護と訪問介護の違い・仕事内容や条件は?
訪問看護と訪問介護はどちらも自宅で療養生活を送る方を支援するサービスですが、仕事内容や条件はどう違うのでしょうか?医療や福祉の面から、利用者の日常生活のケアや相談をおこなう訪問看護と訪問介護について紹介します。

訪問看護とは?
自宅療養する方のお宅へ看護師・保健師・理学療法士などが訪問し、病気や障がいへの専門的な看護をおこないます。回復のためのサポートや健康状態のチェック、医師の指示による医療処置、日常生活のアドバイスなど、様々なケアを実施します。
「病気があるけど家で暮らしたい」「家族だけでお世話できるか不安」病院の医師やケアマネジャーと連携し、医療機器などを使いながらでも、住み慣れた家で過ごせるよう家族も含めた支援をします。
年齢や症状・障がいの程度にかかわらず、赤ちゃんから高齢者まで利用できます。退院後の体力低下でひとり暮らしが心配な方、老衰やがん末期により自宅で終末期を過ごす方など、様々な利用者がいます。
訪問時間は、保険の種類で異なります。
医療保険の場合:訪問1回30分~1時間半、一般的に週3回までです。
介護保険の場合:訪問1回が20分・30分・1時間・1時間半とケアプランにより分かれています。
訪問看護の仕事内容
主治医と連携し、心身の状態に応じて次のような看護を行います。
項目 | 内容 |
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日常生活の支援 |
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医療処置・管理 |
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精神・心理面の支援 |
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リハビリテーション |
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その他 |
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訪問看護師になるには?
訪問看護師として働くには、次の項目を満たす必要があります。
- 看護師または准看護師の資格を持っている
- 訪問看護を行う病院や訪問看護ステーションに所属している
- 3~5年の看護師としての臨床経験がある
基本的に1人で利用者の元へ行くため、スキルや判断力が必要です。退院後フォローに注力する病院が訪問看護を行っていることが多いです。他に、訪問看護ステーションや保険医療機関、民間企業の訪問看護サービスなど、様々な事業者や団体が全国で運営しています。
訪問介護とは?
訪問介護(ホームヘルパー)では、介護が必要な方の自宅を訪問し、生活援助など日常生活のサポートをします。
要介護者の高齢者などが家で過ごしながら身体機能を向上できるよう、生活に関する補助や、家族へのアドバイスをおこないます。
訪問介護の仕事内容
加齢などにより要介護となった方へ、次のような支援をおこないます。
項目 | 内容 |
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身体介護 |
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生活援助 |
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その他 |
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生活援助には家事代行と似た業務もありますが、まったく異なるものです。要介護者の普段の暮らしを支援するものなので、大がかりな家事は訪問介護の業務に含まれません。身近な相談相手として、家族の負担軽減にもつながるサポートをします。

訪問介護員になるには?
訪問介護員として働くには、次のような介護の資格が必要です。代表的なものを紹介します。取得しやすい資格や、無資格でも事業者が資格取得費用を負担してくれる場合があるため、あきらめずにチャレンジするのがおすすめです。
・介護職員初任者研修
取得しやすい介護の民間資格で、最低限必要な資格です。施設介護にも活かせる内容です。
・実務者研修
基本的な介護能力と医療ケア知識を習得する資格です。介護福祉士資格取るには、3年以上の実務経験を積み、実務者研修を受講することが必須です。
・介護福祉士
直接介護を行う資格の中で最上位の国家資格です。取得試験を受けるには、福祉系の学校卒業や研修修了など、いくつかの方法があります。

まとめ
訪問看護と訪問介護は、体の不自由を抱えながら自分の家で生活する方をサポートする点が共通していますが、できる範囲の仕事や所属する事業者などが異なります。どちらも人に貢献できるすばらしい仕事で、大きなやりがいがあります。
訪問看護ステーションでは病棟や施設など、様々な経験を持つ看護師が働いています。子育て中などの時短勤務も可能な職場も多く、条件の良い転職をしたいナースには、訪問看護への転職もおすすめです。同じ看護の仕事でも、様々な職種を見てみてください