訪問看護

病院で働く看護師と訪問看護師の違いとは?

投稿日:2019年7月15日 更新日:

病院で患者をケアする看護師と、訪問看護ステーションなどに所属し、在宅医療で生活する利用者のケアをする訪問看護師の仕事には、どんな違いがあるのでしょうか?

この記事では、看護師と訪問看護師の違いについて紹介します。

病院で働く看護師と訪問看護師の違い

訪問看護では、1回の訪問で平均65分滞在し、ケアをおこないます。1日に接する患者の数は病院より少ないですが、訪問時間内で1人の患者に集中して看護します。

また、患者の自宅へ1人で訪問し、ケアの方向性などすべて自分で判断します。わからないことがあっても、病院勤務のように同僚や先輩にすぐ聞けないため、責任感が必要です。

さらに、訪問で持っていけるのは最低限の医療器具なので、その中ですばやく処置する技術も求められます。患者の家族や主治医、リハビリスタッフ、ソーシャルワーカーなどの中心になって連携をとり、スムーズに調整・協力する能力も重要です。

このように1人で業務をするためか、東京都福祉保健局がおこなった「訪問看護師と病院看護師の仕事への意識の違い」調査では、「豊富な知識・経験が必要」「看護職の責任が重い」「やりがいがある」などの項目で「とてもそう思う」と答えた割合が、訪問看護師のほうが多くなっています。

ある程度の看護師経験が必要なので、転職や復職した方も多いです。日勤のみで午前だけ・午後だけなどの働き方をしやすいため、家事や育児をしながらパートや短時間勤務で働く方もいます。夜勤がないため、給与は病院勤務より低い傾向です。

訪問看護師の仕事内容

  • 日常生活の看護(健康状態チェック、食事介助、リハビリなど)
  • 病状に合わせた医療処置、管理(医療機器管理、点滴など)
  • 精神面のケア(声かけなど)
  • 家族へのアドバイス、相談(お世話の方法、各種サービスの相談など)
  • 医療機関との連携(主治医への報告、緊急対応など)

訪問看護では、上記のような患者さんの生活も含めた、医療と一部の介護といった面から幅広くサポートします。看護師は介護職ではできない医療行為の一部がおこなえるため、より重い症状の方に対応できます。

コミュニケーションをとりながら1人の方を幅広く看護するため、病院では見られないような患者さんの笑顔や、家族からの感謝を実感できる仕事です。

訪問看護師1日の流れの例を紹介します。

1日の流れ

9:00 訪問看護ステーションへ出社し、スタッフ間での情報共有や訪問準備をします。
9:30 2件の自宅へ訪問し、看護をおこないます。
12:30 ステーションへ戻り、お昼休憩をとります。
13:30 2件の自宅へ訪問し、看護をおこないます。
16:30 ステーションへ戻り、主治医などへの報告書作成をします。
17:30 翌日のスケジュール確認などをおこない、終業します。

訪問看護師は人手不足?

訪問看護のニーズは、今後どんどん高まると予想されます。その理由は次の2つです。

  1. 医療費削減のため、国が在宅医療を推進している
  2. 介護保険サービスの利用者が75歳になると増える傾向にあり、人口の多い団塊世代が75歳になる2025年、在宅・地域医療の利用者が一気に増えるため

訪問看護の利用者数は年々増えており、10年間で約2倍となっています。(介護給付費等実態調査 厚生労働省調べ)

国が在宅医療を推進していることもあり、医療器を装着中の方など以前は入院でのケアをしていた患者さんも、在宅医療をするケースが増えています。

指定訪問看護ステーションの数も年々増えており、2019年で全国に約11,160ヶ所となっています。(訪問看護ステーション数調査 全国訪問看護事業協会)医療法人だけでなく、民間営利法人の参入も増えています。

そんな中、日本で在宅死する人は約13%ですが、これをオランダなどと同じ30%まで引き上げる場合、約15万人の訪問看護師が必要になります。訪問看護ステーションで働く訪問看護職員数は2013年に約4万人なので、3倍近く訪問看護師を増やす必要があります。

そのため、全国訪問看護事業協会では、地域の偏りをなくして全国どこでもサービスを受けられる体制を整え、新卒でも訪問看護師を目指せる教育を充実させる、としています。

参考全国訪問看護事業協会 訪問看護アクションプラン 2025

このため、今までのように病院経験を積んでから訪問看護師になるのを待つのではなく、新卒を採用し、教育するケースが増えるでしょう。特に、大規模なステーションでは新卒の受け入れに積極的になってきています。

訪問看護師になるには

訪問看護師として働くには、看護師または准看護師の資格が必要です。

3~5年以上の病院勤務経験が重要ですが、最近では研修が用意されており、新卒看護師でも働けるステーションが増えています。キャリアによって、所属する訪問看護ステーションや訪問看護を行う病院を選んでみてください。

訪問看護師に向いているのは、様々な面から患者をサポートしたい、積極的に学びたいという方です。技術面に加えてコミュニケーション力や創造力も学べるため、人間力の向上にもつながる仕事です。

まとめ

看護は、技術面だけでなく患者さんと向き合う姿勢や気配りなど、目に見えない大切な部分もあります。

訪問看護では特にその面が大きく、患者さん一人ひとりと向き合い、適切な看護を考える必要があります。自宅療養する方とその家族を支える訪問看護のお仕事は、社会的に大きな役割があります。

訪問看護師のニーズは高いので、転職・新卒ともに様々な求人があります。看護師としてのキャリアや働き方について考えたとき、訪問看護も選択の1つとして検討してみてください。

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  • この記事を書いた人
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矢口聡子(看護師)

【在籍】日本医科大学第一病院、アレルギー臨床研究所、佐々総合病院、クリニック等、訪問看護ステーション勤務。看護師歴31年。【スキル】訪問看護、精神訪問看護、BOC(口腔ケア)プロバイダー【経歴】1967年生まれ。日本医科大学付属看護専門学校卒。大学病院では小児科(白血病)病棟勤務。総合病院では終末期病棟勤務(レスピレーター管理、看護学生指導担当)。

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