看護師資格を活かしながら看護師が勤務できる「病院以外の職場」には、どんな仕事があるのでしょうか。
看護師経験があり、様々な事情で病院からの転職を考えたとき、介護や企業の看護師など、働ける医療施設の求人はたくさんあります。病院の他に看護師が勤務できる職種について紹介します。
看護師経験を活かせる!病院以外の職場
看護師の勤務先は、病院だけではありません。病院以外で働くメリットは、次のとおりです。
- 日勤のみ
- 土日祝休みで規則的な勤務
- 体力的な負担が少ない
- 主に健康管理が多く、生死に関わるインシデントはほぼない
このように夜勤や不規則なシフトもなく、余裕をもって働ける職場が多いです。病院以外の職場には次のような場所があり、それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介します。
訪問看護
自宅療養する方のお宅へ看護師が訪問し、病気や障がいへのケアをおこないます。赤ちゃんから高齢者まで利用者がおり、医師やケアマネジャーと連携しながら、家族も含めた支援をします。
メリット
- 時短勤務ができる
- 収入は高め
- 一人ひとりに向き合った看護ができる
デメリット
- 一人で訪問する場合、自分だけで判断・対応する必要がある
- 24時間オンコールありの事業所もある
高齢者や疾患を抱える方とその家族も含めてサポートするため、コミュニケーション能力が必要です。ブランクがあり、育児などをしながら訪問看護に復職する看護師も多いです。
介護施設
老人ホームや介護老人福祉施設、デイサービス、訪問入浴など、高齢者を介護する施設で、主に利用者の健康管理をする仕事です。
体温や脈拍を調べるバイタルチェックや、薬や排泄の管理、介護スタッフとの連携などをおこないます。施設により、仕事内容が異なります。
メリット
- 日勤のみ
- 緩和ケアの経験が積める
デメリット
- 収入が低い場合もある
- 医師がいない場合、看護師のみで判断する必要がある
高度な医療行為はしないため、病院でやるような医療スキルは下がるかもしれませんが、お年寄りへの緩和ケアのスキルが身につきます。
検診・健診、献血センター
特定の病気発見のための検査や健康診断の介助、採血をおこないます。検診・健診センターは、クリニックに所属する、企業・学校に出向くなどの働き方があります。
献血センターは、日本赤十字社の施設で働くことになります。
メリット
- 日勤のみ
- パート・アルバイトもある
デメリット
- 収入が低い場合もある
ルーティンワークが基本なので、決まった業務のくり返しが向いた人におすすめです。
保育園看護師
保育園やこども園で、子どもの病気・けがの対応や健康管理・相談、感染予防の指導、保育サポートなどをおこないます。
メリット
- 日勤のみ
- 子どもの成長にたずさわれる
デメリット
- 収入が低い場合もある
保育士のサポートをすることもあるため、子どもが好きな方に向いています。看護師資格があれば、保育士の資格は必要ありません。
乳児院、児童養護施設
家庭で養育できない幼児や児童が暮らす施設です。病気・けがの応急処置や健康管理、養育のサポートなどをおこないます。
メリット
- 子どもの成長にたずさわれる
デメリット
- 24時間体制なので不規則な勤務
遅い時間や休日出勤ありの場合もあるため、確認してください。
大学保健室の看護師
学生や教職員の病気・けがの対応や健康管理・相談、健診のフォローをします。事務作業も多いです。大学の場合、養護教諭の資格は必要なく、看護師資格のみで働けます。
メリット
- 日勤のみ
- パートなど様々な雇用形態がある
デメリット
- 求人数が少ない
企業看護師
産業看護師とも言い、企業の医務室で社員の健康管理やメンタルケア、健康についての相談、健康診断準備、病人の対応などをします。
予防医療の部分が大きく、こちらも高度な医療行為はほぼありません。保健師資格が必要な場合もあります。
メリット
- 週休2日
- 急患対応がない
デメリット
- 求人数が少ない
治験(CRC)
治験(臨床試験)のサポートのため、被験者の対応・不安軽減、医師や各部門との連携などをおこないます。CRCで働くには、医療機関や治験施設(SMO)に所属します。
メリット
- 臨床研究にたずさわれる
- 被験者に寄り添いながらサポートできる
デメリット
- 薬事法や試験についての理解力が必要
- デスクワークが多め
医療機器メーカー
フィールドナースやクリニカルコーディネーターとも呼ばれ、医療機器メーカーの営業などに同行して製品説明や、学会などに参加します。
メリット
- 最新医療機器の知識がつく
デメリット
- 人前に立ち、製品について伝える能力が必要
機械に興味があり、外資系メーカーも多いため英語が得意な人におすすめです。
ツアー(添乗看護師)、イベント看護師
修学旅行や社員旅行につきそい、健康管理や病人の対応、病院へのつきそいをします。団体だけでなく、高齢者や介護が必要な方の個人旅行につきそうこともあります。
イベント看護師は、スポーツなどイベント会場の医務室や救護室で病人・けが人の対応をします。
メリット
- 色々な観光地へ行ける
- 病人がいなければ自由に過ごしやすい
デメリット
- 単発バイトが多く、安定収入になりにくい
- 一人で同行するため、判断力が必要
看護学校の教員
看護師としての経験があれば、看護を専門に学ぶ学生へ講義をする教員の道もあります。指導業務は幅広く、育成に興味のある方におすすめです。
メリット
- 日勤のみ
- 収入は高め
- 未来の看護師育成に関われる
デメリット
- 講義からテスト作成など学生を指導するスキルが必要
看護系ライター
看護・医療系のWebサイトでの記事執筆や編集をします。知識のない人が書いた医療記事が問題になったこともあり、専門知識を持つ人による執筆が重要になっています。
メリット
- 在宅で家事などをしながら収入を得られる
- 休みなど自由にとれる
デメリット
- 収入は成果報酬がほとんど
文章を書くのが好き、収入の足しにしたい方におすすめです。
まとめ
看護師資格があれば、それを活かして病院以外でも働けます。夜勤などの業務は病棟の入院患者を支えるために不可欠な仕事ですが、看護師への負担にもなります。
無理な勤務を続け、心身を壊してしまっては大変です。夜勤や不規則なシフトがつらい方は、転職を考えてみてもいいかもしれません。
看護師には様々な働き方があり、求人も多いです。病院で3~5年以上の経験があるなど、キャリアのあるほうが採用されやすいです。
将来的にも必須の職業なので、自分に合った条件が見つかるまで、色々な施設をチェックするのもおすすめです。