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看護師がスムーズに有給消化するポイント、拒否されたときの対処方法

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看護師が退職するとき、有給の消化はできるのでしょうか?

退職前にたまっていた有給を消化したいと思うのも当然です。しかし、多忙かつ人手不足の病院が多い看護師業界では、

「有給をとらせてもらえなかった」
「何度も交渉してやっともらえた」

など、有給消化を認めてもらうのに苦労したという意見が多いです。

ですが、有給休暇は労働者の権利なので、かならず取れることになっています。有給消化を断られたときの対処や、スムーズにとる方法などを紹介します。

看護師の有給消化率は?

有給休暇とは、賃金の支払いがある休暇のことで、労働基準法上に定められています。6ヶ月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤している場合、6ヶ月経過すると1年に10日間与えられます。

パートやアルバイトなどの非正規雇用でも、この条件にあてはまれば有給を取得できます。取得理由は個人の自由なので、原則として理由を職場に伝える必要はありません。

2017年に医労連が行った「看護職員の労働実態調査」では、看護職の有給休暇の取得率は平均8.9日となっています。年代別では有給取得が0日だった割合が若年になるほど多く、若い看護師ほど有給を取れていない結果になっています。

有給の消化を拒否されたときの対処方法

有給消化を申し出たら看護部長や師長などの上司に断られたときの対処方法を、日本看護協会の解説を参考に解説します。

退職前に有給を消化したいが、上司が認めてくれない

有給休暇は、職員の希望日に取得させることが原則です。

病院側が取得日を変更する権利(時季変更権)というのもありますが、これには条件があり「事業の正常な運営を妨げるおそれがある」場合に限ったものです。

退職直前に退職日までの有給休暇を職員が申し出た場合、雇用側がこの権利を使うことはできません。

労働者は、全ての有給休暇を取得する権利があります。しかし、どうしても上司が認めない場合、次の対処方法があります。

労働基準監督署や弁護士に相談する

働き方改革もあり、労基署は雇用側に厳しく対処する傾向があります。雇用側も、弁護士から通知が来てまで取得を認めないことはあまりないようです。

相談するときは、前もって次のような準備をしておくとスムーズです。

  • 書類申請など規定に沿った方法で取得申請したことを書面やメールなどで残しておく
  • 話し合いの内容を録音する
  • 就業規則の退職に関する部分を見ておく
  • 有給や退職に関する法律について調べる
  • 労働組合(医労連)に協力してもらえるか確認する
  • 反論されたときの対策を考えておく

買い取ってもらう

労働基準法では、退職や時効(2年)で有給が消滅する場合、有給の買上げが認められます。そのため、人手不足が深刻な病院の場合、買上げを提案する方法があります。

ただ、有給はかならず取得できるものなので、人手不足などの理由にかかわらず、雇用側が取得を断ることはできません。日頃からの計画付与など、職員の休みやすい工夫を雇用側がおこなう必要があります。

人手不足のため有給を取らないよう指示された

休みの希望が通らないなど、有給の却下は労働基準法違反です。この場合も、上記と同じく労働基準監督署や弁護士に相談できます。

人手不足は、必要なスタッフ数を用意していない雇用側の問題です。雇用側は十分な人手を雇い、休暇取得計画を考案し、スタッフ一人ひとりの年間取得計画表を作り取得を促進する必要があります。

「他の人は休んでないのに自分だけ休みにくい」「他のスタッフの目が気になる」などで、休むのをためらうこともあるでしょう。

ただ、有給を取れない状況をどこかで変えていかなければ、スタッフに負担がかかり、ミスや離職も増えてしまいます。行動することで、働きやすい職場に変えていける可能性があります。

スムーズに有給を消化するポイント

円満に有給を消化しやすくする方法を紹介します。

期間に余裕をもって有給消化したい時期を伝えておく

退職ギリギリに有給消化を申し出ると、スムーズにいきにくいです。話し合っているうちに退職日がくることも。

やはり常識的にも、1~3ヶ月以上前には退職と有給消化したい時期を上司に伝えるべきです。

毎月少しずつ消化する

有給を一気に消化するではなく、毎月3日ずつなど少しずつ消化するスケジュールをたてると、取りやすくなります。休む時期と繁忙期がかぶらないようにするのも重要です。

いちど却下されたときは、少しずつ取るので迷惑はかけないなどと条件を出す方法もあります。

休む理由を伝える

取得理由は伝えなくてもいいのですが、休みたい理由を伝えると、理解を得やすくなります。「祖父母に会いに行きたい」「体調を整えたい」など、差しさわりのない範囲で伝えてみてください。

まとめ

やはり多忙な現場では休みを取りづらいようです。「有給消化せずに今月で辞めて」と言われることもあるようです。しかし、有給申請を上司など雇用側が却下してはいけないと決まっています。

退職日まで働き、多くの休暇を捨てるのはもったいないことです。無理な働かせ方をして従業員が心身を壊しては元も子もありません。有給を取れない職場をなくすためにも、労働者の権利はしっかり主張するのがおすすめです。

もっと余裕をもって働きたいなど、転職する場合、看護師資格を活かせる仕事はパートであっても他の仕事より給与が高めです。

看護師の職場は病院やクリニックだけでなく、訪問看護や介護・児童施設、検診センターなど様々です。求人数も多いため、様々な仕事をチェックしてみてください。

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  • この記事を書いた人
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矢口聡子(看護師)

【在籍】日本医科大学第一病院、アレルギー臨床研究所、佐々総合病院、クリニック等、訪問看護ステーション勤務。看護師歴31年。【スキル】訪問看護、精神訪問看護、BOC(口腔ケア)プロバイダー【経歴】1967年生まれ。日本医科大学付属看護専門学校卒。大学病院では小児科(白血病)病棟勤務。総合病院では終末期病棟勤務(レスピレーター管理、看護学生指導担当)。

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