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専門看護師と認定看護師の違い | 資格取得までの流れ

投稿日:2019年6月19日 更新日:

看護師の上位資格には専門看護師と認定看護師と呼ばれるものがあります。まず、どちらも看護に関する熟練の知識や技術を有することを証明する資格です。

それぞれの資格の違いはなにか、また資格を取得する流れなどを解説していきます。看護師としてのスキルアップをお考えの方は参考にしてみてください。

「専門看護師」と「認定看護師」の違い

それでは、両者の概要や違いについて解説していきます。

専門看護師とは

複雑で解決の困難な看護問題を持った個人・家族や集団に対して、高水準の看護ケアを提供するための、特定分野における知識・技術を有することを証明する資格です。

難易度は認定看護師より高いですが、取得することで看護のプロフェッショナルとして広く認められます。専門看護師は、つぎの6つの役割を果たすことが求められます。

  • 実践:個人・家族や集団に対してすぐれた看護を実践する
  • 相談:看護者およびケア提供者に、専門看護分野における相談・協議・指導をおこなう
  • 調整:必要なケアをスムーズに実施するため、保健医療福祉に関わる人々の調整を図る
  • 倫理調整:個人・家族や集団の権利を守るため、専門看護の知識を用いて倫理的な問題や葛藤の解決を図る
  • 教育:ケアを向上させるため、看護者に対する教育をおこなう
  • 研究:専門知識や技術を向上・発展させるため、実践の場において研究活動をおこなう

認定看護師とは

特定の看護分野において、熟練した看護技術や知識を持っており、高水準の看護実践ができる看護師であると証明する資格です。取得することで、看護のエキスパートとして活躍することができます。

認定看護師は、つぎの3つの役割を果たすことが求められます。

  • 実践:熟練した看護技術で個人・家族や集団に対し、高水準の看護を実践する
  • 指導:看護者に対し看護実践を通して指導する
  • 相談:看護者に対し、特定の専門看護分野における相談・協議・指導をおこなう

基本情報

専門看護師と認定看護師の具体的な違いについて、表で解説していきます。

専門看護師 認定看護師
求められる役割 実践/指導/相談 実践/相談/調整/倫理調整/教育/研究
分野
(2019年6月時点)
【専門看護分野 13分野】
・慢性疾患看護
・急性・重症患者看護
・感染症看護
・精神看護
・ガン看護
・地域看護
・在宅看護
・家族支援
・遺伝看護
・小児看護
・母性看護
・老人看護
・災害看護
【認定看護分野 21分野】
・救急看護
・集中ケア
・皮膚、排泄ケア
・訪問看護
・感染管理
・糖尿病看護
・摂食、嚥下障害看護
・不妊症看護
・新生児集中ケア
・小児救急看護
・手術看護
・透析看護
・認知症看護
・脳卒中リハビリテーション看護
・慢性呼吸器疾患看護
・慢性心不全看護
・乳ガン看護
・ガン放射線療法看護
・ガン化学療法看護
・ガン性疼痛看護
・緩和ケア
必要な教育課程 看護系大学院修士課程を修了し、日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程で2年間学び、所定の単位(総計26単位または38単位)を取得 認定看護師教育課程で半年間(615時間以上)修了
必要な実務経験 看護師の実務研修が通算5年以上(うち3年以上は認定看護分野の実務研修) 看護師の実務研修が通算5年以上(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)

「専門看護師」と「認定看護師」資格取得の流れ

つづいて、専門看護師や認定看護師の資格を取得するために必要な実務経験や教育課程の流れについて、くわしく解説します。

専門看護師

1. 実務経験を積む

看護師として5年の経験が必要です。このうち、3年以上は資格取得したい分野での経験も必要になります。期間は通算できるので、転職や休職などのブランク、勤務地の変更などあっても問題ありません。

2. 看護系大学院に入学・受講

看護系大学院に合格・入学し、日本看護系大学協会が規定の専門看護師教育課程基準において2年間学び、所定の単位(総計26単位または38単位)を取得します。

所定の単位を取得できる大学院は、2017年時点で全国に106ヶ所あります。学校により入学金や受講料(奨学金制度の有無)、専門分野が異なるため、学校を検討する際は下調べが必須です。

入学すると大学院生として学業に専念する必要があるため、一般的には休職もしくは退職することになります。医療機関によっては、勤務する看護師の資格取得をサポートする制度のある場合もあります。

3. 認定審査を受験・合格

認定試験は年1回です。通例では7月中旬から受付、11月1日に筆記試験となっています。試験は一次が書類審査、二次が論述式の筆記試験です。筆記は事例問題と総合問題が出題され、時間は120分です。

4. 認定交付登録

認定審査に合格し、認定料5万円を納付すると、看護協会に登録されます。認定証が交付されると、専門看護師として活動が認められます。

なお、合格後もレベルを保持するため5年ごとの認定更新制です。更新審査では、5年間の看護実践・研修・研究といった実績や業績をもとに書類審査をおこないます。

認定看護師

1. 実務経験を積む

専門看護師と同様、看護師として5年の経験が必要です。資格取得したい分野での経験も3年以上必要になります。期間は通算でき、転職や休職などのブランク、勤務地の変更などあっても問題ありません。

2. 専門教育の受講

所定の認定看護師教育課程で半年間(615時間以上)の専門教育を受講します。この教育課程は平日の昼間におこなわれるため、勤務を継続しての受講はむずかしいです。

そのため、一般的には休職(もしくは長期出張の扱い)や退職をすることになります。勤務先に休職扱いが可能か、また資格の取得を支援する制度などがあるか確認するとよいでしょう。

3. 認定審査を受験・合格

認定試験は全国4会場で毎年5月に実施されます。筆記は客観式一般問題と客観式状況設定問題が出題され、時間は200分です。

4. 認定交付登録

認定審査に合格し、認定料5万円を納付すると、看護協会に登録されます。認定証が交付されると、認定看護師として活動が認められます。

なお、こちらも専門看護師と同様に、合格後もレベルを保持するため5年ごとの認定更新制です。更新審査では、5年間の看護実践・研修・研究といった実績や業績をもとに書類審査をおこないます。

まとめ

このように、専門看護師と認定看護師は求められる役割や分野などの違いがあります。しかし、両者とも取得すると看護師として活躍の範囲が広がり、スキルアップには最適です。

より多くのことをできるようになりたいという向上心のある方、給与アップを目指したいという方は取得を考えてみるのもよいでしょう。

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  • この記事を書いた人
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矢口聡子(看護師)

【在籍】日本医科大学第一病院、アレルギー臨床研究所、佐々総合病院、クリニック等、訪問看護ステーション勤務。看護師歴31年。【スキル】訪問看護、精神訪問看護、BOC(口腔ケア)プロバイダー【経歴】1967年生まれ。日本医科大学付属看護専門学校卒。大学病院では小児科(白血病)病棟勤務。総合病院では終末期病棟勤務(レスピレーター管理、看護学生指導担当)。

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